2024年7月8日、中国中検院CIQは化粧品と直接接触する包装材料(包材)との間に、化粧品の安全性、有効性、安定性に影響を及ぼすような有害な相互作用が生じないようにするための「化粧品と包装材料の適合性の試験および評価に関する技術指針」を発表しました。 以下、ガイドラインの内容に基づき主要な情報をまとめたので参考にしていただきたいです:
1、目的と意義
この技術指針は、化粧品の監督管理を強化し、化粧品使用の安全性をさらに向上させるために策定されました。化粧品と包装材料との適合性を評価することにより、潜在的なリスク問題を特定し、適時に解決することで、化粧品の保管中や使用中に化粧品本来の品質や機能を維持することができます。
2、重要な指標
①.抽出物:化粧品包装材料中に存在し、包装材料中の添加剤、残留モノマー、分解生成物など、溶媒により抽出可能な物質。
②.溶出物:包装材から移行する物質、または移行試験により発生し化粧品に混入する物質。遷移試験により得られた包材からの遷移又は試験により生成され化粧品中に入った物質。
3、評価手順
①.予備データ収集:化粧品と直接接触する包装容器および包装材料を特定し、包装材料の組成、包装材料 と化粧品の接触様式および接触条件、化粧品の製造技術および製造工程を把握または分析します。
②.抽出試験:抽出可能な物質の情報を入手し、潜在的な溶出物を予測する。
③.相互作用試験:加速試験及び長期安定性試験条件下で、包装材料中の成分が化粧品への移行度合いや化粧品との反応度合いを考察し、すなわち浸出物レベル情報を取得します。
④.評価結論:浸出物レベルに対して安全性評価を行い、包材が化粧品に適しているかどうかを結論します。
4、主要パラメータ/指標
①.抽出試験
抽出溶媒の選択:抽出溶媒は、通常、化粧品に適合しますのか、または類似した物理化学的特性を持つべきであり、溶媒のpH、極性、イオン強度に重点を置きます。
抽出条件:一般的に化粧品のプロセス条件を参照し、適切な加熱温度の上昇と加熱時間の延長により、できるだけ多くの包材中の抽出可能なものを抽出することができます。
②.移行試験
包材の材質に基づいて重要な指標を確定し、よく見られる材質とその重要な指標は以下の通りです:
プラスチック:残留モノマー、添加剤およびその分解生成物の移行など。
ガラス:アルカリイオンの放出が化粧品のpHに与える影響、有害元素の移行、着色剤を含む感光性ガラス中の添加剤の移行。内面コーティングや塗膜などの膜があるガラス容器の場合、膜の完全性は、膜内の添加物の移行を意味します。
金属:金属イオンの移行、内容物による金属の腐食、試験前後の金属皮膜の完全性、皮膜中の添加剤の移行など。
ゴム:ラミネートやコーティングなど皮膜を有するゴム部品については、皮膜の完全性、皮膜内の添加剤の移行など。
セラミック:セラミック釉薬中の有害元素の移行、内面コーティングやフィルムコーティングなどのフィルム付きセラミック容器のフィルムの完全性、フィルム中の添加剤の移行。
フィルム:蛍光増白剤などの添加剤の移行。
カプセルシェル:着色剤などの添加物の移行。
その他:包材に関する上記の懸念事項を参考に、包材と化粧品との適合性を検討するための移行試験プログラムを設計すること。
③.吸着試験(必要に応じて)
5、結果の評価
抽出試験で得られた抽出可能な物質の情報及び移行試験で得られた浸出液の情報に基づき、浸出液の種類及び含有量を分析・要約し、必要な化合物の帰属又は構造同定を行い、制限のある場合は「化粧品安全性技術規範」の規定を遵守し、制限のない場合は安全性のリスク評価を行い、通常の合理的かつ予測可能な適用条件下において人の健康を損なうおそれがないことを確認します。必要に応じて、化粧品と包装材料との相互作用を安定性試験の結果と合わせて総合的に評価します。包装材料と化粧品の適合性が化粧品の品質と安全性に影響を及ぼすかどうかを分析します。
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